超音波式放電探知器
新形ウルトラホンの特長
新形ウルトラホン(FDシリーズ)は2点の特長を備えています。
① 従来のウルトラホンは、部分放電により生ずる音波を40kHzの超音波センサーで捉
えてその音圧レベルを表示していました。
新形ウルトラホンは、部分放電により生じる音波が商用電源周波数に同期した周波数成
分を含むことに着目し、40kHzセンサーで捉えた放電音から商用電源に同期した周
波数成分を取り出し、その音圧レベルを表示しています。
この結果、従来のウルトラホンと比較して周囲雑音の影響を約1/30に低減すること
ができます。(白色雑音での評価)
② 新形ウルトラホンはデータロガー接続用の出力ジャック(3.5mmステレオミニジャ
ック)を備えており、市販のデータロガーを接続し出力電圧を記録することができます。
1mVを1dB(例 55mV→55dB)と読み替えることにより音圧のdB値を直接
記録することができます。
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1.測定環境
測定距離 屋外 * 屋内 目標設定方式 遠距離(2〜15m) SE-8FD 照準器による目視 中距離(1〜10m) ** SE-15FD SE-15FD レーザーポインター 近距離(1〜2m) SE-55FD LEDポインター * 屋内:キュービクル内を含む
**レーザーポインターが視認できる環境下 -
2.表示分解能および受信感度
表示分解能 機種 受信感度 基準設定距離 1dB SE-8FD 30〜70dB 4m SE-15FD 30〜70dB 2m 5dB SE-55FD 35〜75dB 1m -
3.各機種の特長
- (1)SE-8FD
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大型のパラボラ反射鏡により受信感度が高く、2〜15mの遠距離に向いています。
目標設定方式が照準器による目視のため、太陽光の下でも目標設定が容易です。
したがって屋外に設置された比較的大型の変電設備などの保守業務に適しています。 - (2)SE-15FD
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パラボラ反射鏡により比較的受信感度が高く、1〜10mの中距離向きです。
目標設定方式がレーザーポインターのため、屋内では容易に目標設定が可能です。
屋外の明るい場所ではレーザーポインターの識別が困難な場合がありますが、レーザーポインターが視認可能な範囲で屋外の設備でも使用可能です。 - (3)SE-55FD
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小型のパラボラ反射鏡により指向性が良く、1〜2mの近距離向きです。
目標設定方式がLEDポインターのため、近距離の目標設定が容易です。
特に小型・軽量なため、狭いキュービクル内での保守作業に最適です。
ウルトラホンの選び方
ウルトラホンは3機種でファミリーを構成しており、使用目的により最適な機種を選択することができます。
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ウルトラホン判定基準 (2024.5 改定)
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1.はじめに
- ウルトラホンによる絶縁診断(部分放電測定)の判定基準は、保安業務を担当する部門および電気管理技術者(個人事業者)が経験により独自に決めているのが実情です。
- 測定された数値は測定時の環境(特に湿度)により大きく変動するため、一意的に基準を決めることの困難さがあります。
- 周囲雑音や湿度など周辺環境を加味した判断が必要なため、測定者の責任で判断することが前提となります。
- 一方指針として判定基準を必要としている場合があります。
- 上記の理解の上で長期間に渡り製造者が得てきた評価実験のデータ、測定現場での観察、保安業務部門での判定基準のデータ等を示すことは可能です。
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2.絶縁診断(部分放電測定)の判定基準
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(1)ウルトラホンの使用上の注意事項
ウルトラホンのレベル表示(dB)は機種ごとに基準となる測定距離が定められています。
基準の測定距離と異なる場合は取扱説明書に記載してある距離補正をする必要があります。基準となる測定距離 SE-55FD 1m SE-15FD 2m SE-8FD 4m -
(2)判定基準
- ・保安業務部門の判定基準の例
測定値 判定区分 処置 50dB未満 良 判定は良とするが、周辺雑音より明らかに大きい場合は要観察機器として重点点検を実施する。 50〜60dB未満 要観察 測定条件を変えて、特定のため再測定、調査が必要。 60dB以上 要細密点検 速やかに、全停電による詳細な点検が必要。 - ・電気管理技術者(個人事業者)の例
電気管理技術者は個別に顧客と契約を結び診断結果を顧客にレポートしますが、診断日と実際に保守工事を行えるタイミングに大きな乖離がある場合が多く、比較的早めに警告を出す傾向にあります。 したがって50dB付近を判定基準として、顧客に特定機材(LBS等)の交換要請をしているようです。
- ・保安業務部門の判定基準の例
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(3)評価実験(参考)
ウルトラホンによる部分放電検出の実験では60dB程度で放電音が聞こえ、部分放電光が見られました。
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ウルトラホン
(SE-15FD)
価格:173,800円(税込)
放電箇所を特定し、
その大きさをデジタル表示します。
■特徴
・優れた感度と指向性により微弱な放電箇所を特定する事ができます。
・レーザーポインタにより測定箇所が、一目でわかります。
・スピーカーから出る音により確認する事もできます。
・電気を止める事なく活線状態での点検作業ができます。
・金属突起部分が無い安全設計。
・電源OFF時、表示ホールド機能付。
・軽量・コンパクトで省電力設計。
ウルトラホン
(SE-8FD)
価格:275,000円(税込)
感度に優れ、遠方より放電箇所を
特定する事ができます。
■特徴
・高感度のため約15m離れても探知ができます。
・レベル表示のほかスピーカーからの雑音特有の音色により放電箇所を特定することができます。
・指向性が鋭いため、放電箇所を極めて狭い範囲に特定できます。
・金属突起部が無い、安全設計。
・電源OFF時、表示ホールド機能付き。
・軽量・コンパクトで省電力設計。
常時監視ウルトラホン(UW-50/60)
価格:本体
(UW-50/60) 132,000円(税込)
センサー (UW-S2)
22,000円(税込)
セット価格:198,000円(税込)
(UW-50/60
+ UW-S2 3台)
販売:弊社直販のみです。
キュービクル内の放電箇所を常時監視し、放電音のレベルをリモート監視で
監視することが可能です。
・風や雨音などの周囲雑音の影響を受け難い。
・センサーを3個接続でき広範囲の測定が可能です。
・本体およびセンサーはマグネットにより容易に取り付けできます。
・警報接点端子を監視装置に接続することにより、警報発報が可能です。
・音圧レベル出力を監視装置に送り、監視装置を経由してリモート監視センターに
送出することにより、リアルタイムで放電音のレベル監視ができます。